まず、これはただの学生が書いたので間違いがあるかもしれません。コメントでご指摘頂けるとありがたいです。
近年、地球温暖化、化石資源の枯渇が叫ばれ、自然エネルギー(風力、太陽光)を利用した発電の開発や普及が進んでいます。中でも太陽光発電は、家庭の屋根に設置されるほど身近なものになっています。
太陽のエネルギーは膨大で、発電時に二酸化炭素などの温室効果ガス及び環境汚染物質を排出せず、しかもほぼ無尽蔵で得ることができます。現状で家庭に普及している太陽光発電パネルは変換効率が10から20%ほどですが、さらなる変換効率の向上に向けて日々研究がなされています。
また、太陽光発電の普及率はまだまだ低く、補助金を出したりして導入を促進しているのが現実です。これは、価格が高いことなどが原因だと思います。しかし、だからといって今のまま家庭での太陽光発電を含めた「発電設備」が普及するのは問題があります。
現状では、電力会社の発電所で発電し企業や家庭に送られる電力と、太陽光発電等で発電し電力会社に売られている(送られている)電力を比べれば、明らかに前者の方が多くたぶん比べものにならないと思います。このため、電力会社は各発電所で発電する電力を調整することで、企業や各家庭に送られる電気の電圧、周波数が規定の値になるようにしています。(周波数は1Hz以下の調整が行われている)
ここで、繰り返しますが、現状のままで企業や家庭での太陽光発電を含めた発電設備が増えすぎると、予測、調整できない電力が送られてくることになり、電圧、周波数の調整が難しくなります。家庭では、それほど問題は無いのかもしれませんが、工場では問題となるそうです。(電力会社における周波数調整と会社間連系について(東京電力、PDF))
ただ、このような発電は今後より一層普及すると思われ、このままで良いわけではありません。アメリカのオバマ大統領が進めるグリーンニューディール政策の柱の1つでもある「スマートグリッド」がこれらの問題を解決するとされています。
スマートグリッドは簡単に説明すると、IT技術によって電力送電網の信頼性向上や省電力化を目指すものです。中でも重要なのが「スマートメータ」と呼ばれる機器で、現在家庭にある電力量計(電柱から電線引き込まれ、円板が回ってるもの)とは異なり、電力使用量や太陽光発電等による発電量などを通信網を介して送信し、それを集計・解析することで電力の需要と供給のバランスを取ることができます。
これによって、発電量が安定しない太陽光発電等の発電設備を多くの家庭で使用し、余剰電力を電力会社に売っても安定した電力供給を行うことが可能です。
つまり、このようなことをしない限り、日照時間に左右され、安定した発電の行えない太陽光発電を無計画に増やすのは問題になります。今回の東北地方太平洋沖地震で、東京電力では計画停電が実施されており、様座なところで節電が叫ばれています。
もし、ここ(東電が原子力発電所より太陽光発電所を作るべき理由)で指摘されているように、太陽光発電パネルを家庭の屋根に取り付けた場合(停電回避に貢献できなければ意味がないので、相当数設置すると仮定して)、供給電力が需要を下回っている間は停電回避に貢献するかもしれませんが、電力会社の発電所で需要を上回る分の供給電力を発電できるようになると、逆に問題を引き起こしそうな気がします。